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? 「キツネ顔の少年の夢」
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道を歩いていたらキツネみたいな顔をした
少年とぶつかった。 「いてえよ」少年はすごい目で僕を睨んできた。 ここで目をそらしたら生物として負けだ、と思い 僕も負けずに死んだ魚のような目で睨みつけた。 少年は「ちょっとこっち来い」と言って 裏路地へ僕を連れて行った。 するといきなり茶碗とサイコロ2個を取り出し 「これで決着つけよう」と言ってきた。 どうやらチンチロがやりたいらしい。 僕はわりと勝負運が強いほうなので きっと勝つだろうと思い勝負を引き受けた。 実際、僕ばかりが勝ってしまった。 少年は「こんなくだらないものであんたは運を使い果たしたんだ。 今後あんたに幸運はめぐってこないだろう」と 怪しげな占い師のような捨て台詞を残して去っていった。 なんだかその通りのような気がして 僕は勝ったのにあまり喜べなかった。 |
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